星の王子様

今日、NHKでサンテグジュペリの番組やってましたね。

偶然ですが、思わすしっかり見てしまいました。

やっぱり、星の王子様の作者らしい奥の深い背景があるんですね。

それにしても、生まれた環境がいい。

ものすごい邸宅で、たくさんの兄弟に囲まれて

伸び伸びと育ったんですね。

やはりいいものというのは、そういうところから

生まれるのでしょうか。

サンテグジュペリと星の王子様

夜間飛行、南方郵便機、人間の土地

これは是非読んでおきたい作品です。


タグ:星の王子様
| 日記

人生の意味

私を信じたまえ。

存在のもっとも偉大なる豊かさと喜びは、

危険に生きることなのである。

…ニーチェ

*サンデグジュペリはよくニーチェの言葉を引用しています。




たとえ、どんなにそれが小さかろうと、

僕らが、自分たちの役割を認識したとき、

はじめてぼくらは、幸福になりうる、

そのときはじめて、

僕らは平和に生き、

平和に死ぬことができる、

なぜかというに、

生命に意味を与えるものは、

また死にも意味を与えるはずだから。


*端的にわかりやすく

人生の意味を語っています。

自分の役割を知ること。

その大切さを、彼はいろいろな言い方で

語っています。
| 日記

夜間飛行2

ある夜、飛行士ファビアンの飛行機は暴風雨に巻き込まれた。
燃料があと一時間四十分しかもたないのに、
千キロに渡って暴風が荒れ狂い、どこにも着陸できない。

厚い雲の中で、自分の位置も見失い、どうにもならない状況に陥った。
あらゆる情報がファビアンの絶対絶命を伝えていたとき、
ファビアンの妻から電話が入る。

「主人はもう着きましたか」
「いえ……」
口ごもる事務員。
リヴィエールが電話口に出るが、
彼には話を聞いて同情してやることしかできない。

二人の両立しない権利、価値観は対立し、平行線をたどる。

同様の例は今、この瞬間も、毎日のように起こる。

工事現場で人が死ぬ。すると人は言う。
人の命を奪ってまで、こんなものをつくる必要はあるのか、と。
しかし実際は、工事は粛々と進められる。

事業における不慮の死。
過労死しかり。

人々は会社を批判する。
経営陣は頭を下げる。

しかし、それによって事業を停止することはない。
それが社会だ。
それが生きるということだ。

リヴィエールは考える。
「僕らは常に、何か人間の生命以上に価値のあるものが
存在するかのように行為しているが、しからばそれはなんであろうか?」

リヴィエールはまた死んでしまうかもしれない
二人の搭乗員のことを思う。

自分は何者の名において、二人の人間から幸福な生活を奪うことができるのか。
その種の幸福を保護すべきなのに、自分はそれを破壊している──。

なぜなのか。
もしかすると個人的な幸福より大事なものが人生にはあるのではないか。

私益の集積が公益ではないのではないか。
たとえばペルーの古代インカ族が残した大寺院。

古代の指導者もまた、多くの犠牲を承知でそれを造り、後生に残した。
その指導者は個人の苦痛以上に、種族の死、
人間の死滅に対してあわれみを感じたのではないか。

そうリヴィエールは思った。

さすがのリヴィエールも頭を抱えた。
こんな時はどんな職場も停滞する。
誰もが今夜の飛行は中止になるだろうと思った。

しかし、リヴィエールは負けなかった。
いつものように、欧州機の離陸を指示した。
飛行士も臆することなく飛んだ。
止まりかけていた歯車が再び動き出した。

この物語で浮き立つのは、
トップの信念が組織にとっていかに大事かである。
危機に直面した時ほど、下の人間はトップを見る。
どんな判断をするのか。
どんなことを言うのか。
じっと注視し、それが普段の言動と一致しなければ、
その分だけ組織はゆるむのである。

この場面でも監督ロビノーをはじめ飛行士や通信士、
事務員たちはじっとリヴィエールを見ている。
そして、さすがに次の便の飛行は中止だろうと思っていた。

この場合は、たとえリヴィエールが中止の判断を下しても、
みんなが納得していたから、よかったのかもしれない。
それでもリヴィエールは通常の業務を遂行させた。

この強さが、そこで働く人に、大きな使命感、
張り合い、喜びを与える。

ファビアンが行方不明になったことを知った上で、
通常通りに飛ぶことを命じられた飛行士は
以下のように描写されている。

「彼は、自分の体内に、偉大な能力が生まれ出るように感じた。
やがて激しい喜びが生まれてきた。(中略)
彼はいま無言のまま微笑しだした。
それはかすかな微笑ではあったが、
木を揺すって通る微風のように、彼の全体をわななかせる微笑だった。
それは弱い微笑だったが、
しかも、あの雲よりも、山よりも、川よりも、海よりも力強い微笑だった」

どうしたんだ、と聞く同乗の同僚に飛行士はこう答えた。

「──あのわからずやのリヴィエールめが……
僕がこわがると思っているんだよ!」

たった一度でも、弱気になって飛行を中止したなら
夜間飛行の存在理由は失われてしまう。

作者はこの小説をこう結ぶ。
「偉大なリヴィエール、
自らの重い勝利を背負って立つ勝利者リヴィエール」──。


リヴィエールはなぜ勝利者なのでしょう。
彼は自分の信念に従って生き、
それを貫いているからです。

こんな話を思い出しました。

「なぜこんな危険なことをしているのですか。死ぬのが怖くないですか」
インタビュアーがある著名なオートバイレーサーに聞いた。
そのレーサーは答えた。
「もちろん怖いですよ。ぼくだって死にたくないですよ。
けれども、死ぬのか怖いからといって
やりたいこともやらないで生きていくことはできない」

「だから、絶対にそういうこと(死)が起こらないように
細心の注意、努力をしてやっているんです」

結局、与えられた命を精一杯生きようと思ったら
それしか選択肢はないのである。
| 日記

夜間飛行1

突然重いことを書きますが、
人生、結局
自分の選んだ道を
懸命に生きていくしか
ないんですね。

後のことはわかりません。
まして、結果はわかりません。
というより、人生に結果などありません。
死ぬ瞬間はみんな同じでしょう。
プロセス(過程)の連続が人生なんです。

「事業をやりながら死ぬ」と言った
坂本竜馬も同じでした。

そして、サン=テグジュペリも
同じ考えであったようです。


サン=テグジュペリの名著『夜間飛行』について

前回の続きです。

http://tinyurl.com/kp32p


夜間の定期飛行を危険なものとして批判する世論に対して
リヴィエールはこう返答した。
「世論なぞは、自分で導けばよろしい!」

要綱や保険などが議論されるとき、彼はこう考えていた。

「何をぐずぐずしているんだろう! 
そんなことなんかすべてことごとく償うてなおあまりある
大事なことがあるのだ。

生命力のあるものは、生きるために、創造するために、
自らの法律を生活するために、あらゆるものをけちらかすものなのだ。
それは防ぎようのないことだ」

あらゆる反対論に対して動じることなく、
これが物事の順序なのだから必ず勝つと信じ、
危険に対する完全な対策を示せと迫られると、こう答えた。

「経験が法を作ってくれるはずです。
法の知識が経験に先立つ必要はありません」

リヴィエールはこのようにして、多年の奮闘の結果、
夜間飛行を勝ち得た。
このあたりはまさに創業経営者的である。

だからこそ事故は絶対に許されない。事故を起こせば
「ほら見ろ、だから危険だと言ったじゃないか」という意見が強くなり、
夜間飛行は停止に追い込まれる可能性がある。

リヴィエールは自分の信念を貫くためにも、
鉄人のごとく厳格になり、事故のあらゆる可能性を排除してきた。
しかし、それでも事故は起こるのだ。
| 日記

星の王子さま

最も有名な作品は
『星の王子さま』でしょう。
ウワバミがゾウを飲み込んでいる絵は
あまりにも有名です。
作家自身の手書き原稿に
そのスケッチが描いてあります。

小学校か中学校の教科書に
この冒頭の話が載っていました。

これが何に見えますか。
帽子ではありませんよ
実はゾウを飲み込んだウワバミです……。

というくだり。

それが教科書にあったことを
鮮明に覚えているのは自分が読んだからではありません。

二つ上の姉が
何度も何度も声に出して読んでいた。

ぼくの耳に入ってくる。
「ずいぶん変わった話があるものだな」
と思ったものです。

そうか……。

いまこれを書いていて発見しました。

姉があんなに何度も声に出して読んでいたのは
勉強のためばかりでなく
ぼくに聞かせようとしていたのだな……。

思わず脱線しました。

次に有名なのは
新潮文庫にもなっている
『夜間飛行』です。

そして同じ文庫に入っている
もう一つの作品が
『南方郵便機』です。

どちらも傑作です。

この二作品の優劣は人によって評価が分かれます。

『夜間飛行』は完成度の高い傑作ですが、
それでも『南方郵便機』の方がもっと好きだ
という人も多いように思われます。
翻訳者の堀口大学も『南方郵便機』を絶賛しています。


『南方郵便機』はベルニスという飛行士と
幼なじみの人妻ジュネヴィエーヴのかなわなかった恋、
郷愁と現実、そして死を描いています。

内容と文体がぴったりと
これほど見事に合った物語も珍しいでしょう。

なんと言えばいいのか。

文体そのものがロマンチスト。
生き方そのものがロマンチストである
サン=テグジュペリが
本領を発揮した作品といえます。

『夜間飛行』はそれに比べればもっと乾いています。
男、仕事、使命、志、冒険といった世界が
気品とロマンあふれる文体で描かれています。
そっちのほうがよいという意見も十分理解できます。


そしてもう一つ
忘れてはならないのは『人間の土地』です。
これも新潮文庫にあります。

これはエッセイ風です。
ものを見る視点
洞察の深さが
並みの作家とは全然違います。

土地、空、星、人間。
飛行機乗りだったせいもあるでしょうが
視点のスケールが大きいです。

サン=テグジュペリは
人生の大半を操縦に費やした飛行士でした。
不時着、墜落を何度も経験し
生還してきた勇敢なパイロットです。

けれども本質的には作家でした。
作家が飛行士になったのであって
飛行士が経験を元にものを書いたのではありません。

「飛行機は手段であって目的ではなかった」
と本人も言っています。

作家が飛行機という手段を使って
インスピレーションにさらに
磨きをかけたということです。


サン=テグジュペリの本はこちらで買えます。

http://tinyurl.com/ztnch
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